内縁関係とは、婚姻届は出していないけれど、事実上の婚姻関係にある2人を指します。
内縁関係であると認められるためには、2人に婚姻の意思があるということ、そして共に暮らして家計を共有しているということが必要になります。
そのような内縁関係にある2人は、訴訟の際に慰謝料を請求することができるのでしょうか。
ここでは、内縁と訴訟、慰謝料についてお話しします。
内縁を解消する場合
婚姻届を出し、法律上の夫婦となった2人が婚姻関係を解消する場合、離婚という手順をとらなければいけません。
しかし、離婚も双方の合意が必要ですから、万が一片方が離婚をしたがあったとしてももう片方が納得しない場合、裁判所に離婚を認めてもらう必要があるのです。
内縁の場合はそのような必要がありません。
ただし、内縁のパートナーに内縁関係を解消するための正当な理由がない場合、「故意又は過失により権利が侵害されたものとして不法行為の責任を肯定することができる」とされています。
つまり、正当な理由がなく内縁関係を解消されそうになったら、訴訟を起こして慰謝料を請求することができるのです。
内縁関係を解消する際の慰謝料の目安
内縁関係を解消するならば、慰謝料は50万円から200万円が相場であると考えられています。
そして、慰謝料の金額を考える際には、内縁期間、内縁解消に至る理由、未成年の子供がいるかどうか、結婚式などを挙げて内縁関係が公になっていたかどうか、そしてどのような内縁生活を行っていたか、ということが重要になります。
例えば、20年間の内縁生活を続けた男性が不当な理由で内縁を破棄しようとしたことにより、その配偶者から訴訟を起こされ、400万円の慰謝料を求められたというケースもあります。
内縁関係を証明できるようにしておくことが大切
このようにしてみると、内縁関係が証明できるということこそが重要であるとわかりますね。
最初に述べた通り、内縁関係を証明するためには双方に結婚の意思があること、家計を共有していることが重要です。
しかし、例えば片方から「自分には内縁をしているつもりはなかった」などと言われてしまったら、内縁関係を証明することができませんし、そもそも内縁発揮されそうになっても訴訟を起こすことさえできません。
そのためには、確かに自分たちは内縁関係にあるという証明を持っておくことが大切なのです。
具体的には、2人の名前が記載された賃貸契約書、同じ住所に住んでいるという証明となる住民票、2人の収支が記載された通帳等が証明になります。
まとめ
いかがでしょうか。
法律上の夫婦とは違い、内縁の夫婦はいざという時に夫婦関係を証明することが困難である可能性があるのです。
そのため、常日頃から書類に気を配り、2人は確かに内縁であるという証明ができるようにしておきましょう。
証明がなければ、何かあったとしても訴訟が起こせなかったり、慰謝料の請求ができなかったりする可能性が出てくるのです。