最近は、内縁という言葉もよく聞くようになりました。
実際に法律上においても配偶者に準ずるものとして扱われるようになりつつあります。
それならば、内縁の定義は一体なんなのでしょうか。
また、ある一定の期間を一緒に過ごしたら内縁ということになるのでしょうか。
さらに、慰謝料の請求をするときには一緒に暮らしてきた期間は関係あるのでしょうか。
ここでは、内縁の定義や期間、そして慰謝料についてお話しします。
内縁の定義
内縁とは、事実上の婚姻関係にある状態を指します。
婚姻届は出していないけれど、2人に婚姻の意思があり、生計を共有しているという2つの条件が必要です。
内縁の定義とは、婚姻届を出していないだけで実際は夫婦同等の生活をしていることを指します。
また、2人が一緒に暮らしているという証明となるような、2人の名前が記載された賃貸契約書、同じ場所に住んでいるという証明になる住民票、そして2人の収支が記帳された通帳も証明になります。
さらに、もしも結婚式などを挙げて内縁関係を公にしているのであれば、その人たちの証言も証明になるのです。
内縁期間について
時々、「私たちはもう同棲して5年経つんだから、私はもう内縁の妻だよね」「長年同棲してるんだから、私たちはもう内縁同然だよ」などという人を見かけます。
しかし、実は何年同棲していたとしても、それは内縁にはなりません。
同棲の定義は「婚姻関係にない男女が一緒に生活すること」です。
それに対し、内縁の定義は「両者に婚姻の意思があり、生計を共有していること」になります。
そのため、同棲と内縁は意味が全然違い、だからこそ同棲を何年続けたとしても、内縁にはならないのです。
婚姻関係にない男女が何年も生活したからといって、婚姻の意思ができるわけではありません。
つまり、「何年という期間同棲したら、内縁になる」という問題ではないのです。
内縁関係にある夫婦は慰謝料の請求ができる
内縁関係にある夫婦の片方が不当な理由により内縁を破棄しようとした場合、慰謝料を請求することが可能です。
ただし、法律上の夫婦は慰謝料の相場が50万円から300万円なのに対し、内縁の夫婦は最高金額が200万円ほどになります。
しかし、何年間内縁関係にあるのか、内縁関係を解消する理由は何なのか、どのように生活をしてきたのか、未成年の子供がいるかどうかなどによって、相場は大きく変わってきます。
例えば、20年間連れ添った内縁の妻を不当な理由により追い出した男性は、400万円の慰謝料を請求されています。
つまり、内縁の配偶者であっても慰謝料の請求は可能です。
ただし、相続権はありません。
まとめ
いかがでしょうか。
内縁と同棲は意味が全然違いますし、同棲を何年続けたとしても内縁にはなりません。
特に同棲をしている女性の中には「内縁の妻になりたい」などと考えている人もいますから、いきなり「私たち、内縁も同然だよね」などと言われたら驚いてしまうかもしれません。
しかし、何年という期間同棲したとしても、内縁にはならないのです。