今は様々な夫婦の形態が出来上がり、内縁関係の夫婦も以前に比べて多くなりました。
内縁とは、社会的には夫婦として生活しているにもかかわらず、婚姻の届出を出していないために法律上の夫婦ではない状態を指します。
事実上の夫婦であったとしても、法律上の夫婦ではないということで一般的な配偶者とは異なる待遇を受けることもあります。
ここでは、内縁の配偶者は法律上の配偶者と同じように保険に入ることができるのか、ということについてお話しします。
健康保険法第3条7
日本には、健康保険法という法律が存在します。
労働者や非扶養者の疾病や負傷、死亡や出産に関する医療保険について定めた法律であり、日本においては公的医療保険制度の中核をなしています。
この健康保険法第3条7には、「この法律において『非扶養者』とは、次に掲げる者をいう」「配偶者(届け出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む」と書かれています。
つまり、法律上は内縁の配偶者であっても保険に入る事は可能です。
保険の手続きに必要なもの
しかし、法律で大丈夫ならば実際に大丈夫なのかというとそうではありません。
保険の手続きには住民票や当事者の戸籍謄本等、夫婦関係を証明する公的書類が必要になります。
そして、内縁の場合は住民票や戸籍謄本に記載がされません。
そして、書類で以って「確かに内縁である」という証明をすることもできません。
つまり、現実的には法律上の配偶者でない限り、健康保険の扶養に入る事はできないのです。
確かに、法律上は事実上の婚姻関係であるという証明ができないにもかかわらず、保険に入れてしまったら、偽装結婚などという詐欺問題も起こってくることでしょう。
内縁関係とは
内縁関係とは一体何を以ってして事実上の婚姻関係と認められるのか、と疑問に感じる人もいるかもしれません。
まず、内縁関係とは籍を入れていないだけで結婚しているも同然の状態を指します。
両者に婚姻の意思があり、そして家計を共にしていることが基本条件です。
また、その他にもお互いの両親に会っている、結婚式を挙げているなど、一般的な法律上の夫婦がしていることと同じことをしている必要があります。
ただし、これらを証明することは困難ですし、法律上の制度が重要になる保険や税金の問題が絡んでくると、どれだけ内縁の条件を満たしていたとしても、配偶者とは認められないという背景があるのです。
まとめ
いかがでしょうか。
事実上の婚姻関係にあったとしても、法律上の婚姻関係にないと、同じ待遇を受ける事はできない場合があります。
確かに、例えば日本では一夫一婦制が定められていますが、内縁関係が行政上認められてしまえば、一夫一婦制さえも崩れてしまうかもしれません。
内縁関係には、まだまだ課題が多いのです。