内縁関係とは、法律上は婚姻関係に準ずるものとして扱われるようになってきました。
内縁であるためには、両者に婚姻の意思があること、そして生計を共にしているということが大切です。
この2つが内縁の条件となっているのです。
そして、内縁であるならば夫婦としての同居義務や相互扶助義務が課せられます。
それならば、もしも内縁の妻と別居したらどうなるのでしょうか。
別居したら、内縁関係は解消されるのでしょうか。
ここでは、内縁の妻と別居についてお話しします。
別居だけでは、内縁関係解消にはならない
先ほども述べたとおり、内縁関係とは双方に結婚の意思があり、生計を共にしているという2つの条件が重要です。
内縁の定義として同居している事という項目はありません。
そのため、内縁の妻と別居したからといって、内縁関係が解消されるというわけではないのです。
事情によって別居している内縁の夫婦もいますから、内縁の妻と別居したとしても、まだ双方に婚姻の意思があり、生計を共にしているのであれば、2人は内縁関係であると言えるのです。
内縁の妻と別居する理由
それならば、内縁の妻となぜ別居するのでしょうか。
もちろん、喧嘩をしたことによって別居するという事は十分に考えられる理由の1つです。
しばらく口をききたくないということで、内縁の妻が家を出てしまうということもあるかもしれません。
また、敢えて別居を選ぶ夫婦もいます。
例えば夫が事業主であり、すでに子供がいる場合など、子供たちから嫌がられることもあるのです。
内縁関係は仮にも夫婦ですから、そこには同居義務が発生します。
しかし、場合によっては同居できない理由を持つ夫婦もいるのです。
同居した方が良いのかどうか
様々な理由により、内縁関係でありながら一緒に暮らさないという夫婦は確かに存在します。
しかし、客観的に内縁関係を証明するためには一緒に暮らしているという証拠が重要になります。
例えば、何年一緒に暮らしているかどうかということが証明できる住民票、賃貸契約書等は内縁関係を証明するための強い味方なのです。
そのため、やはり内縁関係ならばなおさら一緒に生活していた方が様々な手続きにおいて有利と言えるでしょう。
法律上の夫婦であれば、単身赴任等の事情で別居していても問題はありません。
しかし、内縁の夫婦の場合は法律上の手続きのために、一緒に住んでいる方が都合が良いのです。
まとめ
いかがでしょうか。
内縁の妻と同居ができない事情を抱える夫婦も皆無ではないでしょう。
しかし、例えば健康保険等を初めとする社会保険の扶養に入る場合や内縁関係を解消する際に慰謝料を請求したり、財産分与を求める場合など、一緒に暮らしている期間が長い方が有利な場合があります。
そのため、やはり一緒に暮らしている方が、都合が良いのです。