内縁関係を維持している場合、例えば長年内縁だった夫が亡くなったら遺族年金をもらうことができるのでしょうか?
また、夫が亡くなったということは、内縁関係の「両者に婚姻の意思がある」を証明できませんよね。
それならどうやって証明したら良いのでしょうか。
何か条件があるのでしょうか。
ここでは内縁の場合の遺族年金と証明や条件についてお話しします。
遺族年金の請求は内縁関係であっても可能
結論からいうと、内縁の配偶者が遺族年金を請求することは可能です。
厚生年金保険法58条1項には、「遺族厚生年金は,被保険者又は被保険者であった者が死亡した場合等に,その者の遺族に支給する」と定めています。
そして59条1項は、「遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者等の配偶者等であって、被保険者等の死亡の当時、その者によって生計を維持した者する」となっています。
大事な個所としてもう1つ、3条2項は、厚生年金保険法において配偶者には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者をあるものとする」とも定められています。
請求は可能でも、もらえるかどうかは別問題
厚生年金保険法を見てみると、内縁関係であったとしても遺族年金を請求する事は可能であるということがわかります。
しかし、必ずしももらえるとは限りません。
日本年金機構が審査を行い、両者が確かに内縁関係にあったということを認めなければいけないのです。
そして、そこで両者に婚姻の意思があったということ、生計を共にしていた事が証明できなければいけないのです。
それこそが遺族年金をもらうための条件となります。
簡単に遺族年金がもらえてしまったら、誰でも請求して受け取れてしまいますから、ある程度証明をしなければいけなかったり、条件が出てくるというのは当然のことです。
内縁関係を証明するには
内縁関係を証明するには、先ほども述べた通り、双方に意思があること、そして生計を共にしていることが条件です。
しかし、片方が既に亡くなってしまった場合は前者の証明が難しいですよね。
そのような時は、2人が一緒に暮らしていたという証明になる2人の名前が記載された賃貸契約書や、2人の住所が同じであることが証明できる住民票、そしてもちろん、2人の内縁関係が公になっていたならば、その人たちの発言も証拠になります。
また、市町村によって多少の条件が変わってくることもありますから、ぜひ確認してみてください。
まとめ
いかがでしょうか。
内縁関係であったとしても、遺族年金を請求することは可能です。
しかし、内縁関係をきちんと証明できなかったり、日本年金機構が求める条件を満たせない場合は遺族年金をもらえない可能性もあります。
わからないところは市役所や日本年金機構に問い合わせ、確認することも大切です。