内縁関係という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
今までは、籍を入れて夫婦となるという結婚の形が一般的でした。
しかし、今は内縁関係である夫婦も以前ほど珍しくなくなりましたね。
内縁である夫婦関係を築く場合、配偶者と同じように扶養に入ることができるのでしょうか。
ここでは、内縁関係とは何なのか、そして配偶者と同じように扶養に入れるのか、お話ししたいと思います。
内縁関係とは何か
今は同居や同棲など、様々な言葉があります。
そんな中で内縁関係というものは、両者ともに婚姻の意思があること、そして生計を共にしていることという2点が認められてこそ、内縁関係と言えるのです。
例えば、同棲をしているだけでは2人に結婚の意思があるとは言えませんよね。
そして、同棲で生計を共にしているという事はまずないでしょう。
そのため、内縁関係は同居や同棲とは意味が違ってくるのです。
内縁関係とは、籍を入れていないだけで、結婚しているも同然の状態を指すのです。
健康保険の扶養について
健康保険法第3条7では、扶養に入るためには、「配偶者(届け出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含む)」との記載があります。
これだけ見ると内縁関係の配偶者であったとしても問題なさそうに感じるかもしれません。
しかし、不要の手続きをする上では住民票や戸籍謄本が必要です。
そして、住民票や戸籍謄本には内縁という事情は記載されないため、内縁の証明ができません。
そのため、内縁関係の配偶者では健康保険制度における扶養には入れないのです。
税金上の扶養について
また、扶養には健康保険上のものだけではなく、税金上のものもあります。
例えば、夫の扶養に入っている妻の場合、「103万円は所得税の扶養控除限度額、130万円は社会保険料の扶養控除限度額、141万円は配偶者特別控除の限度額…」などと聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
内縁関係においては、このような制度を利用することができません。
税法上の非扶養者になるためには、法律上の配偶者である必要があります。
つまり、籍を入れて初めて配偶者として認められ、それにより税法上の非扶養者になることができるのです。
内縁関係とはあくまでも内縁であり、法律上の夫婦ではありません。
そのため、扶養に入ることができないのです。
まとめ
いかがでしょうか。
近年は様々な夫婦の形が増え、内縁関係というものも徐々に公認されつつあります。
しかし、やはり偽装結婚などの問題もありますから、入籍をせずに法律上の夫婦と同じメリットを受けるという事はまだまだ難しいという現状があります。
内縁関係であり、行政上の手続きに疑問がある場合は、市役所などに聞いてみることも大切です。